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* 素朴な疑問 *




空が真っ赤に染まる頃
煙突から立ち上る おいしそうな煙

広場のそばの 小さな宿屋は
今日もお客で大賑わい

鶏肉の壷焼き かぼちゃに詰まった甘いご飯
魚のスープに 肉詰め揚げパン

「これ、どうやって、たべる?」
「このパン生地のふたを匙で突き破って……うわあ、やりすぎだ!!」
「ご飯が甘いのはどうもなあ」
「そうですか? 僕は好きですけどねえ」
「麦酒、おかわり」
「ぱん、おかわり〜♪」
「チビ、それ何個目だよ!」
「さんこめー」

美味しい夕餉の締めくくりは
クリームを添えた林檎のパイ

「おかわり〜♪」
「いい加減にしろ、食い過ぎだぞ!! ってそれ俺の分!!」


「おなかいっぱ〜い」
「ごちそうさま!」
ぽんぽこお腹をひとさすり
満足顔の子供たち
それ腹ごなしだ、と駆けていく
その背中を見送って


「……ラウルさん。前々から思ってんたんですが」
「言うな」
「食べた分はどこへ消えてるんでしょう?」
「だから言うなって……」













 夕食を作るのが面倒な日は『見果てぬ希望亭』へ。冒険者三人組やレオーナの子供達も交えて賑やかな食卓を囲みます。
 ルフィーリは精霊なので、本当はご飯など食べる必要はないはずなのですが(笑) 心行くまで食してご満悦。その食べっぷりにはあのエドガーも惚れ惚れ。彼女が来ると、いつもより気合が入るとか。
 ローラ国はロシアをイメージして書いているので、食卓に並ぶのはロシア料理を参考にしたメニュー。北国なので、煮込み料理が中心になるようですね。
ちなみに、この”素朴な疑問”の答えは……作者にも分かりかねます(笑)

初出 2005.12.07



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