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振り向けばそこにキミがいた

 この頃、どうにも不思議なことが立て続けに起きる。
 学校に行くと、見知らぬ人間から呼びかけたり、教授から何度も名前を確認されたり、それに――
 出席を取ると、何故か声が重なる。

この頃 不思議なことがある
学校に行くと 知らない人から名前を呼ばれるし
先生から変な顔されるし
出席を取ると なんか声がダブる


「えーっと、次は……佐藤恵」

「はい」
「はぁい」

 真後ろの席から聞こえてきた、のんびりした声。
真ん前から響いた 少し掠れた声
「――え?」
「え?」


 振り向けばそこに、その人はいた。
小鳥のように、きょとんと小首を傾げて。
赤いフレームの眼鏡が、微妙にずれているのは、
きっとさっきまで、突っ伏して寝ていたからなんだろう。

「さとう、けい? ――さん?」

寝癖を揺らして振り向いたのは
"苦学生"を絵に描いたような そんな男の子
『鳩が豆鉄砲を食らった』っていうのは
きっとこんな顔のことを言うんだろーな

「さとう、けい――クン、なんだ」

こうして、
俺達は――
偶然の出会いを果たしたのだった。
こうして
わたしたちは
出会ったのです


 やっとこさ出会いました(笑)
 どっち視点から書こうか迷って、両方から書いちゃいました(^^ゞ
 この作品はイラストや漫画のイメージが強いので、文章で思ったとおりのものを描き出すのがとても難しい……(^_^;)


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