どしゃぶりの雨の中
たんぽぽが踊ってる
空の涙を受け止めて
水溜りを辿りながら
鼻歌交じりでやってきた
季節外れの おおきなたんぽぽ
「むっかえにきったよ~♪」
黄色い傘に 萌葱色の長靴
梅雨のじめじめ 吹き飛ばす
からっと晴れた その笑顔
「はい、傘っ」
手渡されたビニール傘は
開いた途端に ばりっと嫌な音を立てて破れた
「あれれ?」
「ケイさん……これ、捨てようと思ってた方……」
たんぽぽの相合傘で目指すのは
とりあえず コンビニかな
「えー、家まで走ってっちゃえばいいのに」
「そんなことして、また風邪引きたくないんで」
ホントはちょっと照れくさいからだなんて
恥ずかしくって言えないよ