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取材記録

 エルドナ在住の生物学者エドモンド=ラントさん(八十七歳)への取材

 「楕円形ということは、恐らく鳥類の卵であろう」
 ……木の上に巣を作る鳥の卵は、巣から落ちても卵がどこまでも転がっていかないよう楕円形をしている

「しかしこれほどの大きさの卵を産む鳥類となるとおよそ見当がつかない」

・大きな卵を産む鳥の例……ダチョウ(卵の大きさ:15セスクレイルほど)が最大とされている
・伝説の岩鳥……『奇島冒険譚』に登場する「岩鳥」が実在するとすれば、その卵は人間の大人の背丈相当だと謳われている。しかしこのお話はあくまでも南大陸に伝わる御伽噺であり、想像の域を出ないものであろう。

セージ



卵の正体

 例の卵だけど、なんと「竜の卵」だそうだよ!
 例の三賢人さんが、卵を見に来て断定したんだってさ。どうもその帰りに、うちに手紙を送ってきたみたいだね。
 でも、特に口止めはしていかなかったみたいなんで、エスト近辺ではもうすっかり「謎の卵の正体は竜の卵!」って話が広まってるよ。
 でも、これを取り上げたらまた怒られるんだよね、きっと……。
 やっぱり、卵の件にはもう触れないようにしなきゃダメかあ。
 あーあ、折角のトクダネだったのになあ。

ベンジャミン



『北の塔』三賢人

 ライラ国にいたことのある仲間に、色々と聞いてみたわよ。三賢人について。

 三賢人は魔術士の塔を束ねる、いわば最高責任者ね。
 三賢人っていうくらいだから勿論三人いて、先代が引退を表明する時に、塔の魔術士の中から一番実力のある者を後任として指名するんですって。
 今の三賢人は『白の長老』キリル、『北の魔女』アルメイア、『極光の魔女』ユリシエラの三名。
 長老はもう二十年近く三賢人を務めてて、後の二人は五年前に、揃って引退した老魔術士夫婦の後任として就いたらしいわ。
 で、こないだ手紙を送ってきたのが『北の魔女』と恐れられるアルメイア。外見は十歳前後の少女だけど、実際には二十歳を過ぎてるらしいわ。この人がホントにトンデモない魔術士で、何かって言うと力技で解決したがるので大変みたいよ。
 あの時、忠告を無視して記事を出してたら、この新聞社なんて木っ端微塵に消し飛んでたかもね。リオンの英断に感謝だわ。

リナリー



エスト村の夏祭!

 有力情報を入手したよ。
 八の月に行われるエスト村の夏祭にて、卵神官が祭の主役を務めるんだってさ。
 ボクは嫌だけど、ネリネ辺りに取材に行かせれば?

 日にち:八の月十日
 場所:エスト村
 時間:不明
 去年までの祭の内容:村の司祭が奇妙な装束で登場。壇上で呪文を唱え、それが終わるまで誰も言葉を発してはいけない?

 ……不思議なお祭りだよね。そのあとは飲めや歌えのどんちゃん騒ぎらしいよ。そっちだけなら行ってもいいんだけど。

ベンジャミン



なんだか妙な噂が……

 「卵」について、なんだか妙な噂が飛び交ってるみたいよ?
 『卵の中には不思議な力が隠されている』とか、『持つ者は幸せになる』とか……。
 噂には尾びれ背びれがつくものだけど、随分突拍子もないわよねえ。
 あ、あと、あのフォルカの宝石商ドルセンが、卵を躍起になって手に入れようとしてるみたい。
 近々、直談判しに行くって話してたみたいよ。
 いくら珍しいものだからって、手に入れてどうしようっていうのかしら?

リナリー



診察希望者続出中?

 バイセムの町で仕入れた情報ですが、卵神官さんはお医者様としての腕も確かなものだそうです!

・六の月終わり頃に、冒険者達と共にダレス村に立ち寄った。→エンリカへ夏祭用の酒を仕入れに行った。
・冬から寝付いていたマルローさんの奥さんを診察、処方箋を置いていった。
・マルローさんの奥さんはその薬ですぐに回復。
・その話が広まり、エンリカから帰ってきた神官さんの元へ診察依頼が殺到している。
・「ちゃんとした医者ではないので」と診療代を受け取ってくれないので、農作物やら料理のお裾分けが山のように持ち込まれている。
・特に年配の女性に大人気。

 ユーク神殿で医療を修めてるなんて初めて知りました! エルドナのユーク分神殿じゃあ、そんな話聞きませんよね?
 これは調べてみる価値ありかなあ。

ネリネ



ユーク分神殿への取材

 ネリネの報告を受けて、エルドナの分神殿に取材を申し込んだんですが、そりゃもうきっぱりと取材拒否されました。内部事情は教えられないそうです。話くらい聞かせてくれたっていいのに、ケチですね。
 仕方ないので周辺の方々にお話を聞いたんですが、どうも三の月頃に先代の分神殿長様が亡くなってから、神殿内の雰囲気が変わったらしくて、今では誰も近づこうとしないそうです。
 ただでさえ不気味な印象なのに、これじゃ商売上がったりですよね。あ、商売って言ったら不謹慎ですか。

セージ



また辿り着けず

 夏祭に密着取材させていただくつもりで三度目の突撃取材を敢行しましたが、気づいたらリトエルにいました。
 うわああん、どうして私っていつもこうなんでしょう!?

ネリネ



仕方ないから

 ネリネに任せておいたらいつまでたっても密着取材が出来ないから、不本意ながらボクがエストに行ってきたよ。
 でも残念。ちょうど往診に出かけてて留守だったよ。いやあ残念だなあ、ボクとどっちが色男か、勝負したかったのにね。
 いっとくけど、野郎に突撃取材なんて面倒くさいから宿屋で美人女将と話してたら日が暮れちゃったわけじゃないからね。
 でも女将とその子供達から色々話が聞けたよ! 夏祭のこともいっぱい聞いてきたから、次の特集記事はこの話で行こうよ。
 あ、あとね。秋の収穫祭に、何か面白いことを企画してるみたいだよ。
 ぜひ取材させてもらいたいところだけど、収穫祭って十の月なんだよねえ。そろそろボク達も”移動の季節”じゃない。どうしようか?

ベンジャミン



とりあえず

 そうだった、”移動の季節”はもう目前なんだね。『ローラの大冒険』の単行本校正作業に忙しくて、すっかり忘れてたよ。
 収穫祭は十の月一日かあ。それだと取材にはいけたとしても、記事にするのには間に合わないなあ。
 それじゃとりあえず、ここまでの記事も大分溜まってきたことだし、一度総集編ってことで雑誌にしてみようか。
 それで、年が明けたら雑誌を持って、みんなで突撃取材に行くっていうのはどう?

 よーし、俄然燃えてきたぞー!!
 みんな、頑張ってね!

リオン




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