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取捨選択
 気づけば、いつだって間に合わせの人生だった。
 とりあえず安いものを。とりあえず着られるものを。とりあえず使えればいい。
 「とりあえず」で増えていった私物は、どれも思い入れなどないくせに、もったいない精神が邪魔をして処分できず。
 気に入って買い求めたものばかりが駄目になって、泣く泣く処分する日々。
 このままでは、私の人生は「とりあえず」で終わってしまう。
 忙しさや金のなさを言い訳に、「好き」をごまかし続ける人生なんて、もう嫌だ。
 どんなに小さなものでも、どれほどささいなことでも。
 私は、お気に入りに囲まれて、機嫌よく暮らしたい。
 色々なものを処分し、好みのものを少しずつ集めていく。
 さあ、私好みの人生を、選ぼう。
Twitter300字ss」 第六十九回「選ぶ」


 ほぼ実話(^^ゞ なぜか色々なものを頂く機会が多くて、頂くこと自体はとても嬉しいのですが、そのせいで「自分で選ぶ」ことがなかなかできなくて。
 そんなことで小さなストレスがどんどん積み重なっていたことにようやく気付いて、最近「親が景品でもらってきたけど使いどころがないからって押し付けられた」食器類を処分して、自分好みのシンプルな食器類を少しずつ買い揃えたり、一人暮らしを始めた時に間に合わせで買った家具を処分したりしています。
 自分がストレスなく過ごせることが最優先。不惑を過ぎてようやく悟ったことです。
2020.10.04



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