「お前の瞳は闇夜に光る宝石のようだ。故に私はお前をトパァズと呼ぼう」
そう仰って、優しく頭を撫でてくだすったあの日を、私は一生忘れないでしょう。
近所の猫どもには「なんでぇ、随分とハイカラな名前をつけられたもんだなァ」と
何より、ご主人が私を呼ぶ時の、あの「トパァズ」という柔らかな声。ビオロンを奏でるような滑らかな響きに、すっかり魅了されてしまったのです。
ああ、ご主人。私の言葉はあなたに届かなくて、感謝の思いも、ご飯の催促も、すべて「うなあん」という鳴き声にしかならないけれど。
私がこの名前をとても気に入っているということだけは、どうか伝わりますように。