答えのない問題が好きだ、と言うと意外だと言われる。
確かに、正解がはっきりしている問題は明確で、テストの点にも繋がりやすい。
それでも。
「なーなー、岸。社会の自由記述問題、なんて答えた?」
教師の遊び心で設けられているサービス問題、今回の設問は「世界を平和にするにはどうすればいい?」だった。
「お前はどう答えたんだ」
「オレはねー、『お腹いっぱい食べる』! 岸は?」
「『宇宙人が侵略しに来れば、地球人同士で争う余裕などないので、一致団結して平和を求めるだろう』」
「なにそれ怖い」
結局のところ世界はアナログで、0と1の間には無限の解釈が存在するから。
だからこそ俺達は、唯一無二ではない答えを模索し続けるのだろう。