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空腹と滅裂
 答えのない問題が好きだ、と言うと意外だと言われる。
 確かに、正解がはっきりしている問題は明確で、テストの点にも繋がりやすい。
 それでも。

「なーなー、岸。社会の自由記述問題、なんて答えた?」
 教師の遊び心で設けられているサービス問題、今回の設問は「世界を平和にするにはどうすればいい?」だった。
「お前はどう答えたんだ」
「オレはねー、『お腹いっぱい食べる』! 岸は?」
「『宇宙人が侵略しに来れば、地球人同士で争う余裕などないので、一致団結して平和を求めるだろう』」
「なにそれ怖い」

 結局のところ世界はアナログで、0と1の間には無限の解釈が存在するから。
 だからこそ俺達は、唯一無二ではない答えを模索し続けるのだろう。
Twitter300字ss」 第七十七回「答える」


 テストの点数を確実に取ろうとするなら、明確な答えがある問題の方が楽なんですけどね。(採点する方もね)
 現実的には「唯一無二の正解」がない問題の方が多いわけで、いかに柔軟に思考するか、という訓練は大事だよなー、と思います。
 なお、菊池の解答「お腹いっぱい食べる」は案外、真理を突いてるのではないかな、とも。
2021.07.03



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