第1話「いつ」

  久しぶりに、すっきりとした目覚めだった。
 昨日まで高かった熱もようやく下がって、体もすっかり軽くなった気がする。
 さて、今は何時だろうか? 通りに面した窓は風を通すためか僅かに開けられていて、陽光が部屋を照らしているが、ぼやけた視界ではそれ以上の推察は困難だ。
「眼鏡、めがね……」
 いつもの部屋であれば、例え目を瞑っていても定位置にある眼鏡を掴み取ることが出来るのだが、生憎とここはエスト村ではない。
「ああ、あったあった。もう、誰でしょうね、こんなところに僕の眼鏡を置いたのは」
 手探りでどうにか眼鏡を見つけ出すことに成功し、すちゃっと装着する。
 そうして、明瞭になった視界に飛び込んできたのは――!!

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