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あとがき
 こちらはTwitter300字SS「地」に参加した「落ち葉の季節」をテキレボアンソロ「和」用にリライトした作品です。
 300字版の「落ち葉の季節」が思いのほか好評で、ちょうどアンソロのテーマが「和」だったものですから、じゃあ300字で書いたものを最大4000文字まで展開して出せばいいんじゃないか、と思いまして(^^ゞ
 文字数が格段に多くなったことで、泣く泣く削った文さんや香澄さんの人物描写や背景などを盛り込めるようになりました。(300字版を書いた時に、もうこのくらいまでは脳内プロットが出来上がっていたのです)
 ほとんど300字版と同じ内容ですが、若干修正しているところもあって、文さんは大正時代ではなく明治時代を生きた奉公人に変更しています。(大正時代だと「地縛霊」として若すぎるんじゃないかなと思って修正しました)

 300字版の後書きにも書きましたが、このお話はもともと、「地縛霊」というワードからひょっこり思いついたもので、そこからどんどこ設定が組み上がっていって、現在に至ります。
 元々、近所に「松和荘」のモデルとなった建物がありまして、その前を通りがかるたびに「こういう趣のある建物が舞台になったお話を書いてみたいなー」とは思っていたのですが(^^ゞ
 残念ながら、その建物はもう取り壊されてしまいましたが、その取り壊しの最中に、フェンス越しに中を覗き見る機会がありまして。
 立派な木造二階建ての母屋と、小道を挟んで隣には長屋のような古めかしい賃貸アパート。その奥には野趣溢れる庭が広がっていて、まるでそこだけ時間が止まっているかのようでした。
 このまま立て壊されて忘れ去られてしまうのは非情に惜しく、何か違う形で残せないだろうか、という思いが、心のどこかにあったのかもしれません。

 かくして生まれた「松和荘へようこそ!」シリーズ。まだまだ住人もたくさんおりますし、書きたいことはいっぱいあります。
 ちょっとずつ紹介していけたらいいなと思っておりますので、ぜひ末永くお付き合いください!
2018.03.03

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