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二年前 〜それぞれの理由〜

 机の上に並べられた品々を、クラリスは冷静に眺めていた。
「……これで、あってるかな?」
 それぞれの前に写真を並べて、恐る恐る尋ねるレン。
 クラリスはすぐには答えずに、一つ一つを手にとって本物であるかを確かめている。
(頼むから、あっててくれよ)
 祈る気持ちのレンを尻目に、クラリスは黙々と確認作業を続けていた。


 クラリスが示した五つの写真のうち、一番最初に特定できたのは白い実のついた木の枝だった。
 写真を植物図鑑と照らし合わせて、それが「白南天」と呼ばれる植物の実であることを突き止めるのは簡単だったが、問題はこの南天、実がなるのは秋から冬の間だということだった。
 今は四月。手に入るわけがない。
 しかしクラリスが「この《LUNA-01》のどこかににある」と明言したことから、このコロニー内で現在入手が可能なものであることは恐らく間違いないだろう。
 そこでレンは、街中の案内センターで貰ってきたコロニー内の観光案内マップに目を通し、四季折々の植物が見られる場所を見つけた。すなわち、植物園である。
 早速大学の帰りに寄ってみると、「日本の四季」と銘打たれたコーナーに、確かにそれはあった。
 白いぷっくりとした実をつけたナンテン。赤い実のなるものの方が有名らしいが、こちらも風情があってなかなかいい。
 しかし、もちろん植物園の植物を手折ることは出来ない。いかに閑古鳥が鳴いていて係員すら受付で居眠りをしているような状態であったとしても、レンの良心がそれを許さなかった。
 困りながら立ち往生していたところ、掃き掃除をしにきたらしい係員が、ぼそっと、
「……落ちてる実なら、持ってったところで構わないんじゃないかねえ」
 などと呟いたではないか。
「え?」
 振り返ると、係員は背中を向けてせっせと通路の掃き掃除をしている。
(……見逃してくれるって?)
 ためらうレンに、とどめの一言。
「どうせ枯葉やなんかは燃やしちまうんだしなぁ」
(よし)
 ぐっと決意して、そっと地面に落ちていた白い実を一つ二つ手に取ると、ハンカチに包んでそっとしまいこむ。
 そのままそぉっと係員の後ろをすり抜けて出口に向かう。
 レンはこの時気づかなかったが、掃き掃除をしていた係員は、足早に去っていく彼の背中を見つめながら穏やかに微笑んでいた。

 さて。この白南天を見つけることの出来たきっかけになった「観光案内マップ」はかなり役立った。
 陶器のお椀らしきものと毛皮らしきものも、このマップから見つけることが出来たのだ。
 前代の竹之内財閥総帥である竹之内剛造氏の個人収集物を集めた小さい博物館にて、五百年ほど昔に作られた有名な抹茶茶碗のレプリカ。
 そして、スペースポート《LUNA-PORT》にて、連邦法で持込みが禁じられているトラの毛皮を展示してある横で売られていた、フェイクファーで出来たトラのマフラー。
 三つまで集めたところで、期限はあと三日に迫っていた。
 後の二つ、「水晶球を握る何か」と「茶色い斑点模様の正体不明の物体」だが、今度は意外なところからヒントを得られた。
 現在はまだオリエンテーション期間で、一年生は色々な授業を見学しつつ選ぶ時期である。そんな折、時間つぶしも兼ねて見学していた中国語の授業で教授が紹介していたのは、この《LUNA-01》内にある中華料理店だった。
 繁華街に何軒もあるそれらを紹介しつつ、中華料理やその歴史、はたまた世界中に存在する中華街についての講釈を進める
中、レンは見つけたのだ。中華料理店の軒先に飾られた龍の像。その手に握られた水晶球を。
 授業が終わるなり繁華街に向かい、お目当ての像を見つけたものの、まさかこれを持っていくわけにもいかない。
 どうしたものかと写真を眺めつつ思案していると、店のレジにて龍の手の部分を台座にした飾り物の水晶球が売られていることに気づき、ようやく四つ目をゲット。
 さて、最後に残った「茶色い斑点模様の正体不明の物体」だが、これが難航した。
 なにしろ、写真もピンボケで全く正体がつかめない。当てずっぽうで図鑑などを開いても分かるわけもなく、とうとう約束の日を迎えてしまった。
 タイムリミットは16:30。しかし午前中にはみっちりと授業がつまっていて、あっという間に昼休みになってしまった。
 この頃には、何人か顔見知りが出来ていたので、理由は伏せて探し物をしているのだと協力を仰いでいたが、そんな一人が昼食中、レンがテーブルの上に置いていた写真を見て、ふとこう呟いたのである。
「んー、確証はないけど、これって貝の模様に似てるかもな」
 彼は地球の海岸部育ちで、家には祖父の貝殻コレクションがあったという。しかし現在氷河期に突入している地球の海に潜るのはまず無理だし、このコロニーに海があるわけもない。
「貝、ねえ……でもこの《LUNA-01》で貝なんて……」
「いや、あそこにいけばあるかもよ?」
 そう言って彼が教えてくれたのは、空港そばに広がるジャンク街だった。もともとは空きスペースを市民に開放してガラクタ市が開かれていたらしいが、いつの頃からかジャンク屋が軒を連ね、次第に怪しい店が増えていった地区である。今では治安も悪くヤバいものも売り買いされているらしいが、街の入り口付近は比較的安全で、商店街では買えないような変わったものを売っているという。
「行ったことあるのか?」
 と尋ねるレンに、彼は頭をかきながら、
「一、二回な。それも入り口の辺りだけ見て帰ってきたけど、そこになぜかサーフィングッズ売ってる店があってさ。地球の星砂やら貝殻やら、海関連のものも置いてた気がする」
 と答える。なるほど、海もないのにサーフィングッズとは、なかなか奇妙だ。まあコレクターがいるのかもしれないが、商売になっているのだろうか? 甚だ疑問だ。
 しかしとびきりの情報だった。レンは彼に礼を言い、三時間目の授業が終わるのとほぼ同時に大学を飛び出して、一路ジャンク街へと向かったのである。
「うわ、あやし……」
 教えられた店は、確かに店のいたるところにサーフィンボードやボディーボードが並べられていた。店主らしき人物はこんがり焼けた素肌にはでなアロハシャツと、見るからにサーファーなのだろうが、このコロニーにあっては不自然極まりない。
「よお兄ちゃん、なにか探し物かい?」
 しかし話しかけてきた彼は意外に人懐こそうな笑顔をしていて、ちょっとほっとしながらレンは例の写真を見せた。
「この写真のものを探してるんですけど……友人が、ひょっとしたら貝なんじゃないかと」
「どれどれ? ああ、これね、確かに貝だけど、なんだい? 流行ってるのかい?」
 その言葉に首を傾げるレン。店主は顎をかきながら
「いやね、一週間前くらいにもそれを探しに来たお客がいたんだわ。きれいな貝殻ならほかに色々あるのによ」
 と言う。
(一週間前? ……それって)
 この「条件」が出された辺りだ。しかし、確証はないので店主に、そのお客のことについて尋ねることはやめておいた。
 そんな間にも店主はあちこちをがさがさと探し回り、ようやく近くの棚からお目当てのものを見つけ出したようだ。
「んーっと、これだな。はいよ」
 無造作にひょいとレンに投げてくる。慌てて受け止めたレンは、そっと手のひらの貝殻を見つめた。
 茶色い、まだら模様の表面。ずんぐりむっくりした、ロールパンのような形の貝。
「これ、なんて貝か分かりますか?」
 レンの問いかけにアロハの店主は少々考え込んで、
「確か、コヤスガイとかいうんじゃなかったかな?」
 と答える。
「コヤスガイ……」
 はじめて見る貝に興味津々なレンに店主は、
「それ、欲しいなら持ってきな。どうせ置いといても売れないしよ」
 と笑顔で言ってくる。
「え、いいんですか?」
 売れないとはいえ売り物である。尋ねるレンに、店主は朗らかに笑いつつ、そっとレンの耳元に口を寄せて、
「いやあ、それってホントは、地球に遊びに行った時に友達からもらったやつだからさ」
 とのたまった。なるほど、元手はかかってないらしい。
「それじゃ、お言葉に甘えて……」
 彼の気が変わらないうちに、と貝殻をそっとしまいこむレン。
(よし! これで五つ全部……)
 感慨に浸りかけたレン。その喜びに水をさすように、店主が唐突に言ってくる。
「兄ちゃん、人がいいって言われないか?」
「え? そ、それは……」
 面食らうレン。あまりにも図星な発言だったが、見事に脈絡がない。眉を寄せるレンに店主は慌てて、
「いや、なんでもないよ。そいじゃ、なんか欲しいもんがあったらまた来てくれや」
 ひらひらと手を振って、さっさと店の奥に消えてしまう。
(な、なんだったんだ……?)
 目を丸くしながらも、レンはクラリスの提示した五つのアイテムを集め切った喜びを噛み締めていた。
(これで全部。ふう、なんとかなったか……)
 はっと時計を見ると、16:00。慌ててレンは店を飛び出し、雑然としたジャンク街を疾走する。
 そのあまりの速さに目を見張る人たちを尻目に、レンは一目散に学園へと戻っていった。
(ほんとは使いたくないんだけど、仕方ないもんなぁ……)
 体育などでは平均程度の能力を出すように力を制御しているレンだったが、その気になればオリンピック選手なみのスピードで走ることも可能だ。
 今日ばかりは自らの掟にちょっと目をつぶって、走りに走ったレンが学園内のカフェ『Crescent』へ辿りついたのは、約束のわずか一分前だった。
 流石に上がってしまった息を整えつつ、店内に入る。
 一週間前、レンが彼女を待っていたのと同じ席に、クラリスはいた。
 ドアが開いたのに気がついて視線を向けてくる彼女。まるで一週間前と逆のシチュエーションである。
「16:30ジャストですね。大いに結構」
 そう言ってクラリスは向かいの席を勧める。レンは勧められるままに椅子に腰を下ろすと、如才なく水とおしぼりを運んできたウエイターにアイスコーヒーを注文し、そして改めてクラリスに向かった。
「えっと……」
 集めてきたものをテーブルに並べ、そっとクラリスをうかがう。
「……これで、あってるかな?」


 全てのアイテムを十分に検分して、ようやくクラリスは視線を上げた。
「なるほど、すべて写真の通りです」
 ほっと胸を撫で下ろすレン。あれだけ一生懸命集めてきて、「間違い。やり直し」などと言われたらどうしようかと思った。
「それでは、約束通り説得に応じましょう。さあ、どうぞ」
「え?」
 どうぞと言われても困ってしまう。そんなレンにクラリスは、
「私は、この五つを集めてきたらあなたの説得に応じると約束しました。さあ、説得してください」
 レンの頭の中に、「がーん」という擬音が大きく響き渡った気がした。
(そ、そういや……)
 彼女は、説得に応じると言ったのであって、集めてきたら《Shining k-nights》に入るなどとは一言も言っていない。
 つい自分の良いように解釈していた自分に、腹が立つやら情けないやらのレンに、クラリスは尚も続ける。
「どうしました? 説得してくださらないので?」
「いや、えっと……」
 混乱する頭と感情を宥めようと、深く息を吸ってゆっくりと吐く。
(なにはともあれ、ここで投げ出すなんてできるか)
 一週間の努力を無駄にしたくはない。その一心で、レンは口を開いた。
「ええと、まず……。この間も聞いたことだけど、なぜ「アレ」に入りたくないのか、その理由を聞かせてもらえるかな? 君はレミーとかなりの付き合いのようだし、見たところ僕よりもよっぽど有能だ。なぜレミーが君をパートナーに選ばなかったか、僕には分からないよ」
 見ず知らずの人間をつかまえるよりも、顔なじみを相棒に選んだ方が色々とメリットが大きそうなものだ。
 その言葉に、クラリスの表情がちらり、と動いたことに、レンは気づかなかった。
 すぐに表情を戻し、彼女は口を開く。
「第一の理由としては、研究が忙しくて手が回らないということ。第二の理由としては、現状では私の出番がないということ。あとは……そうですね、あなたの言うとおりです」
 その言葉に首を傾げるレン。クラリスはふと視線を落とす。
「それって……」
「先ほどあなたが言ったでしょう。『なぜレミーが君をパートナーに選ばなかったか分からない』と」
「ああ……」
「彼女から「アレ」の話を聞かされた時、私はどうせ巻き込まれるのだろうと覚悟していました」
 やはり彼女は、レミーと付き合いが長いらしい。レミーの強引かつマイペースな性格を熟知している。
「ところが、彼女からあなたのデータを渡されて、『この人をパートナーにするの』と……。愕然としました。この私が、思わず湯のみを落としたくらいですから」
 ん? とレンが眉をひそめる。
「つまり……こう言っては何だけど、自分がパートナーに選ばれなくてスネていると、そういうこと?」
 身も蓋もない言い方だが、その言葉にクラリスはちょっと目を見開く。
 その瞳が、面白いものを見つけた子供のような輝きを帯び始めていることに、レンは気づかない。
「……」
「あ、ごめん。気を悪くしたかな」
「いえ、なるほど、レミーがあなたを選んだ理由もなんとなく分かります」
「???」
 今までのやり取りでどう分かったのだろう?と首を傾げるレン。
「そのレミーが、今度はあなたに私の説得を頼むとあって、私は思わずあなたに無理難題を押し付けてしまった。それで諦めれば、それだけの人だったのだとレミーに知らせることが出来る、そう思って」
 なるほど、と思わず納得するレン。そして、ふとあることを思い出してクラリスに尋ねてみた。
「そう、この宝探しをしている最中、知り合いの学生にこんなことを言われたよ。『これって、あれみたい。日本エリアの古い物語で、お姫様が言い寄る男達に無理難題を言いつけるくだり』ってね。それで、僕も思った。これは僕を諦めさせるための嫌がらせかなって」
 その言葉にクラリスは、初めてレンの前で微笑を浮かべた。
「ああ、あなたは本当にレミーが選んだパートナーなんですね」
「どういうこと?」
「確かに私が参考にしたのは『竹取物語』です。このコロニー内で似たようなものを見つけ出すのにはいささか骨が折れましたが、それでもあなたは諦めなかった。何故です? 私を説得することで得られるメリットなどないはずだ」
 肩をすくめて苦笑してみせるレン。
「まあね。自分でもそう思うよ。正直言って、なんでこんなことしてるんだろうと思ったことも、この一週間で何度もある」
 でも。あの少女の頼みを断りきれなかったのは、単に人が良いとか、そういう性分だとか、それだけではない。
「こんなに、まるごとの僕を必要とされたことは生まれて初めてだから。かな」
 レンの答えに、クラリスは小さく息を吐く。
「なるほど、分かりました。あなたは見かけによらず結構しぶといようだし、頭の回転も早い。行動力もある。洞察力も確かだし、常識や良心も持ち合わせている、そしてなにより、口が堅くて約束を破らない。あなたなら、レミーのパートナーに相応しいでしょう」
 おや? と首を傾げるレン。なにやら随分評価されているようだが、どこらへんで常識や良心などを計ったのだろう。
 そんなレンに、クラリスは表情を和らげる。
「植物園で、枝を手折ることをしなかったでしょう? それにジャンク街のサーフィンショップで、先客の話を探ったりもしなかった。それにこの収集を行う間、一度もレミーに手を借りず、逆に身分を明かしてアイテムを押収したりもしなかった」
 参った。どうやらこの一週間の行動はすべて筒抜けだったようだ。下手なことをしなくて良かった、と安堵するレン。
「ん? ちょっと待って、身分を明かしてってどういうこと?」
 秘密の警備隊が身分を明かしてはまずいだろう。そう考えるレンに、クラリスはぴっと指を立てて、
「このコロニーの中で、竹之内と関わりのない企業はほぼ100%存在しません。やろうと思えば、レミーの名前を出して龍の像やトラの毛皮を押収することだって出来ます。それなら直接手を借りたことにはなりません」
 なるほど。と手を打つレン。
「それは考えなかったなぁ……」
 どこまでも善良なレンの様子に苦笑を漏らすクラリス。
「まったく、あなたという人は面白い……」
 サイバー装備で常人とは比べ物にならない力を持っているはずなのに、それを感じさせない「普通」っぷり。それならばただのお人好しかと思えば、それだけではない。
 そんな風に生きるには、色々と苦労もあったはずだ。それなのにレンは、そんな様子は全く感じさせずに笑っている。
(『スネてる』だなどと私に言える人間がいるとは……)
 レミーには察することの出来なかったクラリスの心情をぴたりと当てたレン。そんな洞察力を発揮したかと思えば、レミーに付き合うのは要するに、「自分が必要だと言われたから」という、ただそれだけの、純粋な動機だと言う。
 それではまるで、ベタな結婚理由みたいではないか。
「? クラリス?」
 黙りこんだ彼女の顔を覗き込んでくる瞳は、穏やかで優しい。
(なるほど、これは面白いことになりそうだな)
 レンの指摘した通り、自分が選ばれなかったことに少々スネていたのは事実だ。しかし、付き合いの長いレミーに協力したくないわけでは決してない。そして、レミーが選んだパートナーは、なかなか侮れない。それに……
 改めてレンに向き直るクラリス。そして、こう告げた。
「さて副司令。私を説得して下さいますか?」
 今までとは違い、どこかいたずらめいた口調のクラリスに、レンも笑顔で言葉を返す。
「喜んで。君の力を貸して欲しいんだ。是非、入ってくれないかな、クラリス」
「ええ、喜んで。よろしくお願いします」
「こちらこそ。それじゃ、これで交渉成立だね」
 そう言って差し出しされたレンの手を力強く握り返すクラリス。
「あ、そうだ。これから敬語はやめてくれないかなあ? 学年的には君の方がはるかに上なんだし、あまり堅苦しいのは苦手なんだよね」
「そうですか? それでは遠慮なく」
 レンの手を握ったままでそう答えるクラリス。その手がいつまで経っても離れないので、流石のレンもおかしいな、と気づいた。
「あ、あの……クラリス?」
「……なるほど、少々旧式とはいえさすが竹之内の技術、しかし難を言えば、少々関節部の動きがぎこちないか。 レン、よければ今から研究所で新しいサイバー装備を試してみないか。私が独自に開発したもので、通常のサイバー装備より――」
「え、ええ?」
 慌てふためくレンの背後で、いつからそこにいたのかチョコレートパフェを口に運びながら、レミーがため息をつく。
「まったく、クラリスってば研究熱心なんだから」
「そ、その声はレミー!? い、いつからそこに……」
「レミーなら最初からそこにいた。あなたが気づかなかっただけだ。さあ、研究所へ向かおう」
「いや、ち、ちょっと……レミー!」
「ごめんねお兄ちゃん、クラリスはサイバー研究のことになると目の色変わっちゃうのよね」
「お、おいっ」
「大丈夫、私に全部任せてくれたまえ」
「うわぁ〜!!!」


 かくして、三人目の仲間を得ることが出来た《Shining k-nights》。
 しかし、本格始動までの道のりは、はるかに遠い……。


「それにしても、クラリスの理由がレンにやきもち焼いてたからだなんて、やっぱり人間の考えてることって分かんない」
 チョコパフェをすっかり食べ終えて呟くレミーの声が、レンの耳に入ったかどうか……。

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