大陸案内
【精霊術】 願い
《精霊術の行使》
精霊術と呼称されていますが、実際には「精霊に語りかけ、こちらのお願いを聞いてもらう」と表現するのが正しいようです。
精霊は術者の言葉を理解できるので、そのままの言葉で「火をつけて」「風を呼んで」と願っても伝わりますが、緊急時や術の効力を相手に悟られたくない場合などは、もっと迅速に意思疎通できる手段として、『精霊語』と呼ばれる特殊言語を用いて「お願い」をします。
精霊術の効果や規模は、お願いを聞いてもらう精霊との仲の良さや、精霊自身の技量にかかっています。下位精霊では火や風を操る程度ですが、上位精霊である竜ならば、天変地異をも引き起こすことが可能でしょう。
《精霊について》
・光の精霊(光の乙女/光の竜) 可能な願い:灯りを点す・閃光による目眩ましなど
光の女神ガイリアに似て、小さな女の子の姿をしています。慈悲深い性格で、困っている者は見過ごせません。とても丁寧な言葉遣いで優しく語りかけてくれます。
日中であれば、多少曇っていても呼び出せます。日没後は光のある場所でしか呼び出せませんが、松明などが灯っていたり、魔法で呼び出した光があれば、そこから呼び出せます。
・闇の精霊(闇の貴公子/闇の竜) 可能な願い:暗闇を呼び出す
精霊の中で唯一、少年の姿を取る精霊です。気まぐれで怠惰な性格ですが、気に入った相手であれば(仕方なく)力を貸してくれるでしょう。
闇や影があれば日中でも呼び出せますが、日没後に呼び出した方が強い力を発揮してくれます。
・水の精霊(水の乙女/水の竜) 可能な願い:浄水・水流操作・氷作成など
海人に似た姿を取る乙女です。気に入った者にはとことん甘く、気に食わない相手にはとことん冷酷という、水の二面性をそのまま受け継いだ性格です。
水があればどこでも呼び出せます。ごく少量の水(コップの水、涙など)でも呼び出すことができます。
・大地の精霊(大地の乙女/大地の竜) 可能な願い:土や石の操作・土壌改良など
大地の女神ルースに似た巫女姿の精霊です。穏やかですが知識欲旺盛で、呼び出されたついでに色々質問してきたりします。
剥き出しの大地や石、石畳などがあれば呼び出せます。
・風の精霊(風の乙女/風の竜) 可能な願い:風の操作・飛行術
風の女神ケルナに似た戦乙女の姿をしています。真空状態でなければどこでも呼び出せますが、屋外で呼び出した方が、強い力を発揮してくれます。
・火の精霊(火の乙女/火の竜) 可能な願い:着火・炎の操作
火の女神パリーによく似た、炎のような髪を持つ精霊です。お祭り好きで人情家という、パリーの性格をそのまま受け継いでいます。苦労話でもすればとことん協力してくれますが、飽きるとすぐ消えてしまったりするので要注意です。
松明や蝋燭、角灯の火など、炎が灯っていればどこでも呼び出せます。
《契約精霊について》
通常、精霊はその場限りの呼びかけにしか応じてくれませんが、特定の契約を結ぶことで、常に力を借りることが可能です。
契約を結んだ精霊は、自身の名前を術者に明かし、契約の証とします。
契約に際しては、大地の精霊ならば石、水の精霊なら水、というたように、精霊の性質に合った『住処』を用意し、維持する必要があります。
光や炎の精霊は『住処』の維持が難しいため、契約している術者はあまりいません。