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聖者の贈り物
 彼女の故郷では、冬至の夜に聖者がやってくるという。
 いい子には贈り物。悪い子にはお仕置きを。
 贈り物を待ち望む子供達は神妙な面持ちで家の手伝いに精を出す。


「この街には、そういった風習はないのですね」
 そう呟く少女は、どこか寂しげで。
 だったら何か贈って驚かせてやろうぜ、と息巻く友人の言葉に頷いたはいいものの、何を贈ればいいか見当がつかず、秘密の作戦会議は小一時間も続いている。
「人形は?」
「人形に人形やってどうすんだよ!」

「まったく……全部聞こえているのですよ」
 白熱する議論に苦笑を漏らしつつ、とっておきの茶菓子を追加する。
「二人とも、お茶が入りましたよ」
 慣れないことで頭を悩ます二人に、せめてもの労いを。

 こちらは「Twitter300字ss」(テーマ:贈り物)参加作。12月のお題ということで、クリスマスを髣髴とさせる作品が多かった印象です。

 骨董店の片隅でひそやかな作戦会議、の図(笑)
 《世界樹の街》に「クリスマス」そのものはありませんが、いくつかの街区には似たような冬の祭があるようです。
 ユージーンの暮らす十二番街やオルトの暮らす一番街にはそういったお祭りがないので、少女の語る「冬至を祝う風習」は物珍しかったのでしょう。

 素知らぬ顔でお茶を配る少女は、きっと当日まで知らぬ存ぜぬを通しつつ、二人への贈り物をこっそり準備して、お互いに驚かしあうんじゃないかなと思います(^^ゞ
2017.12.05


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