[BACK] [TOP] [HOME]
* 虹の向こうへ *




”虹の根元には 見たこともない宝物が埋まってる”

「どんなたからものなのかな?」
「きっと、とってもすてきなものですよ」
「きっと、とてもきれいなもの」

幼い日の姿で
あれやこれやと語り合う
それはとても 輝いた時間
それはとても 幸せな夢

「おや? エスタス、笑ってますね」
「楽しい夢、見てるみたい」

虹を追いかけて
夢を追いかけて

どこまでも、一緒に

「昨日はどんな夢見てたんですか?」
「どんなって……そうだな。三人で虹を追いかけてた」
「虹の根っこを捜しに?」
「そう。でも虹はすぐに消えちまって、根元に辿り着かないんだ」
「ああ、あの言い伝えですか? エスタス、そもそも虹というのは――」
「分かってるよ。だからさ――」

見たこともない宝物よりも
大切なものを探しに

行こう、虹の向こうへ








 幼い姿の三人が頭をつき合わせて宝の地図を囲んでいる、そんなシーンが頭に浮かんで、そこから発展させたお話。
 実際には大人になってから出会っているわけですから、それはあり得ない構図なのですが。夢に理屈は通用しませんから(^^ゞ

 ”虹の根元に黄金がある”という伝承は世界各地にあるそうですが、黄金を「見たこともない宝物」に変えて使わせていただきました。

 虹の向こうへ。そう言いながら、どこまでも旅を続ける。
 それってとっても、『彼ら』らしいと思いませんか?

初出 2006.09.24



<< >>
[BACK] [TOP] [HOME]