祭のあとは、いつだって物悲しい。
解体されていく櫓や屋台。潮が引くように薄れゆく賑わい。
「寂しいかの?」
誰かが落とした狐のお面を拾い上げ、幼女の姿をした神様は、紅い袖を翻す。
「終わりがあるから、また始まるんじゃ。だから――」
また来年、遊びにおいで。
「ノベルバー 2021」 20 祭りのあと
解説
twitter上で行われていた「ノベルバー」という企画に参加させていただいた作品。
「おやつ」に引き続きご登場の、「路地裏のお稲荷さん」のお話。小さい稲荷社ですが、秋には小規模ながらお祭りも開かれているのです。
初出:ノベルバー 2021/2021.11.23
サイト初出:2022.01.04