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Lullaby
「ねえキング、お歌を聞かせて」
そうリクエストされ、初めて『戸惑い』という感覚を味わった。
データベースを参照すれば、何万という楽曲を瞬時にリストアップできるが、五歳の子供が好む歌が判断できない。保育設備を持つ大型客船ならともかく、偵察用小型艇に搭載されたAIである自分には、何とも難しい問題だ。
『ドノ曲ガ希望カ?』
「えっとね、お母さんがよく歌ってたお歌」
仕方なく、近年の童謡に絞って流してみるもヒットせず、いつしか彼は格納庫の床で眠り込んでしまった。
頃合いを見て回収しに来た船長が、にやりと笑う。
「なんだキング、子守歌でも歌ってやったのか?」
『否定』
あの時、彼が求めていた歌には、未だ巡り合えていない。
「
Twitter300字SS
」 第五十三回「歌」
「
宙からのリクエスト
」の主人公、DJレオンの幼き日の一コマです。
家族旅行の帰り道に客船が宇宙海賊に襲われ、唯一生き残ったレオン少年。彼を救助してくれた宇宙船には子育て経験のある船員などおらず、少年の遊び相手はもっぱら、搭載艇のAI『キング』がしていた(させられていた)模様。
キングが古今東西の様々な曲に精通するようになったきっかけは、レオン少年の何気ないリクエストだったようです。
2019.05.04
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