第5章~第6章・作者の一言
 第5章・第6章は製本版で「Tales of Farn-03 緑野のざわめき」というタイトルで出していた部分です。
 当初の予定ではもう少し先まで描く予定だったのですが、そこまで辿り着きませんでした(>_<)
 今回の見どころはエルクの歌う伝承歌、と言いたいところですが、やはり「かわいこちゃん」でしょうか(笑) リファの手によって可憐にコーディネートされた「かわいい薬売りのお嬢ちゃん」姿、お客さんには大好評だったようですが、本人は慣れないスカートに四苦八苦していたようです。是非とも裾を踏んづけてすっ転んだ挙句に、ラーンにお姫様抱っこされて欲しかったです(笑)

 さて、この「Tales of Farn」シリーズはお題配布サイト「お題配布処 シーマの館」で配布しております「A to Zで26のあらすじ」というお題に沿って進めております。
 今回は「Express」「Fly」というお題をもとに構成しましたので、前半は「先を急ぐ一行」となりました。そして後半は、実は「Fly」というお題を設定したために若干内容が変わりまして、当初の予定にはなかった「ロキの逃亡」が追加されました(>_<) そのため、本来ならばただ「黒ずくめの集団を追え!」になるはずが、追うものが増えて、彼らの旅路が余計大変なことに……(汗)
 実はこの辺りまでは、この物語を書き始めた二十年ほど前に、すでに下書きまで出来上がっておりました。とはいえ、初稿では「村に二人がやってくる」「エルクと出会う」「すぐに旅に出る」「いきなりエルク、足を痛める」「そしてその状態でジャディス達と遭遇」という、急展開も甚だしい内容になっておりまして(笑) さすがにそれはないだろうと、あれこれいじりまくりました(笑)

 この巻でようやく、『黒き炎』や『邪竜』についての詳細がちらほらと出てきておりますが、この世界にはいわゆる「邪神」や「悪魔」のような存在が確認されておりません。悪の魔術士や死霊使い、秘密結社といった存在は度々世間を賑わせておりますが、世界を揺るがすような強大な『悪』というと、やはり『伝説の邪竜』がナンバーワンです。とはいえこの邪竜、これまでの歴史の中で一度しか顕現したことがなく、その実体や被害もすでに伝承レベルということで、世間的には邪竜も、それを崇める『黒き炎』も「ただの言い伝え」「怪しげな新興宗教」程度の認識しかされておりません。
 そんな怪しげな連中の行く先、そして突然逃げ出したロキの行方も気になるところですが、その辺りは次巻でばっちり綴らせていただきますので、どうぞお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。
2016.04.16 seeds
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