+ 後書き +


 傭兵と歌姫の恋物語、お楽しみいただけましたでしょうか?
 実はこの話、番外編競作2のテーマ候補だった「うた」を見た瞬間にぱっと思いついてしまい、テーマ投票が終了する前にプロットを書き上げてしまったという代物でして(^_^;)
 結局、決選投票でもう一つのテーマ候補「禁じられた言葉」に決定し、このプロットはお蔵入り、の予定だったのですが、ついきちんと書き上げたくなって、本編投げ出して書いてしまいました(^^ゞ
 このエピソード、プロットは一日で書き終えたのですが、そこから小説に膨らませるまでが大変で、出だしに迷って長期間放置してありました。
 ようやくそこを抜け出しても、なかなか先に進まずに悶々としていたのですが、半分ほどを書き上げたところで「予告編」がやりたくなって、もう自分で自分の首を絞める勢いで(^^ゞ 予告編をアップし、それで尻に火がついて(>_<) ようやく完成に漕ぎつけた次第です。

 もともと、「未来の卵」で女装させそこなったラウルを、どうにして女装させてみようという(こらこら)思い付きから始まった話でして、なぜあそこまで女装を嫌がったか(当たり前だけど)その答えを過去に求めてみました。なまじ似合うからイヤなんでしょうね。
 ちなみに、彼が女顔であるという設定(明言はしてませんが)は、単純に私の描く彼が女顔にしかならないから(>_<) 要するに私の画力の問題なんですけど、それがキャラ設定にまで及んでしまったというわけです(笑)

 実は今回、一番頭を悩ませたのが、作中の「歌」なんです。あれだけでホント何日も、書いては消し書いては消し、を繰り返してました。
 文字数が揃っていないのは、あれが「日本語の歌」ではなく、別の言語で歌われているものを邦訳しているに過ぎないから……ということにしておいてください(^^ゞ



 ちなみに、本編の背景写真に使ったのは、うちの近所に咲いていた薔薇だったりします(^^ゞ
 小さい頃から、この素朴にして艶やかな原種の薔薇が大好きで、通りかかるたびにうっとりと眺めていました。それ故に、ローザのイメージは最初から、こちらの薔薇で固まっていたんです。
 というわけで、TOPや背景に使う写真もこの薔薇がいいなあ、と思って、色々探してみたんですが、普通の薔薇はいくらでも見つかるものの、この薔薇の写真はほとんど見つからず。困り果てていたその時、ふと近所の薔薇が咲いていることを思い出し、これ幸いと写真に収めてきました(^^ゞ 加工したので随分ピンクがかってますが、元はもっと綺麗な赤をしています。

 薔薇の花言葉は、ずばり「愛」。
 愛に生きた歌姫ローザ。その生き様はまるで、艶やかに咲き誇る野の薔薇――

2004.11.14

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