後書き

 こちらはコミティア94で無料配布させていただいた豆本のお話です。製本時にどうしてもタイトルが思い浮かばず、タイトルなしで配布した思い出の一品です(笑)

 毎日が誰かの誕生日。これがこの話のテーマでしたが、実は思いついたのは「不思議の国のアリス」でした。マッドハッターのお茶会で、「誕生日じゃない日おめでとう!」と乾杯する彼ら。それをぼんやりと思い返しているうちに「365日、どこかで誰かが絶対に生まれている」=「誰かの誕生日じゃない日なんてない」という図式に辿り着きまして、こんなお話に相成りました。

 無料配布本ということで、シリーズを知らない方にも読んでいただけるよう一話完結にしてありますが、こっそり最後にラウルを出しています(実は冒頭からダリスさんも出張ってます・笑)。ファンタジー要素を省いて書いてみたので読み方によっては「普通の童話」ともとれると思いますが、実はこのパン屋さんは首都ラルスディーンの街角にあるんです(^_^;)
 そう、なぜか童話調なのは、最近毎晩子供に読み聞かせをしているせいで、童話の語り口調が頭に残って離れなかったからです(^_^;)

 街のごくありふれた光景を切り取った作品が大好きなので、これも無料配布本シリーズとして今後色々に展開していけたらと思います。

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