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天使の羽根
 ふわふわ ふわふわ
 硝子管に降り積もる 白い羽根
 それはきっと 天使の落とし物

 『天気管』――。
 それはかつて西欧で使われていた天気予報の道具だったという。
 硝子管に封入された水溶液が気温や気圧に応じて結晶化し、その様子で天気を予測したのだと。

 変化を目の当たりにすることは難しく、気づけば硝子管の中には、羽根のような結晶が降り積もっている。
 それはまるで、天使がこっそり通り過ぎていった証のようで。
 
 ふわふわ ふわふわ
 時にみっしり
 ふわふわ ふわふわ
 時にさっぱり

 忙しない日々に、ほんの僅かな彩りを。
 単調な毎日に、ほんの少しの刺激を。

 そう――天気管にはきっと、浪漫が詰まっている。
Novelber 2020」 12 ふわふわ


 twitter上で行われていた「novelber」という企画に参加させていただいた作品。テーマは「ふわふわ」。
 天気管のお話。ストームグラスという名前の方が一般的ですかね。
 念願のこれを今年の夏、ようやく手に入れたのですが、なかなか結晶してくれなくて(^_^;)

 秋口になって、ようやく結晶するようになったのですが、結晶というよりこれは……羽毛……。

(初出:Novelber 2020/2020.11.16)
2021.04.26



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