+ 後書き +


 「漫画原作大募集!」に応募させていただいたシナリオ「PRAY 〜花に願いを〜」、いかがだったでしょうか?
 この企画を知った時、募集要項に「400字詰め原稿用紙で5〜10枚程度(できれば漫画化した時に5〜10ページで納まる程度のものを希望)」と書かれていたため、短編の苦手なワタクシは「む、むずかしい……」と二の足を踏んでいました。
 しかし、これは滅多にないチャンス。そもそも、お祭り好きの私が、こういう企画を見て黙っていられるはずがありません(笑)
 ここはもう「選ばれようなどと考えずに、気楽にいこう!」と開き直り、とにかく「漫画化した時に5〜10ページで納まる程度」を目標にネタを練り始めました。

 まず思いついたのが、冒頭の文章。花に願いをかけるため、険しい山を登るひ弱な(笑) 少年の姿が頭に浮かび、そこからどんどん膨らんでいきました。とにかく短編なので、小難しい話や設定は抜きにして、分かりやすく楽しい話にしようと、買い物途中、料理の最中など、ちょっとした時間を使って話を練り上げました。

 応募形態はシナリオもしくは小説、となっていましたが、私は当初からシナリオで応募するつもりでした。自身も執筆に際し、いきなり本文を書き進めるのではなく、先に簡単なプロットを書いてから取り組むタイプなので、正直シナリオの方がさくっと書けるんです。(そしていつも、肉付け作業に手間取るのですよ(^_^;)
 そして、勢いのままに数日で書き上げたシナリオが、この「PRAY」。私にしては短くまとめた方だと思うんですが、脳内でネームを切ってみると、どう頑張っても15pは軽く越えてしまう(汗)
 こりゃ絶対選ばれないな、でもまあ、枯れ木も山の賑わい、出すだけ出してみよう! そう思って、えいやっと応募したのが、募集開始から十日ほど経った日のこと(笑)
 それからは、日に日に増えていく応募作品のタイトルを眺めつつ、もうすっかり他人事のように、「あ、これ面白そう」「これ、読んでみたいなあ」などと思っていたのですが……。
 月日が経つのは早いもので、いつの間にか漫画化作品発表の日を迎えており。しかもそれをすっかり失念し、いつものようにひょい、と何気なくサイトを覗いたみたところ、なんだか見覚えのあるタイトルが。

「――うそ、選ばれた!?」

 眼を疑う、とはまさにこのこと。何度も何度も見返して、「こりゃどうやら間違いない」と確信するまで、えらく時間がかかりました(^_^;)

 やはり長さがネックになっていましたが、それでも本作を選んでいただけて、本当に嬉しかったです! いやほんと、選ばれるなんて全く思ってなかったんですもん……。その日は寝ていても顔が笑ってしまうくらい、一日中にやけていた覚えがあります。

 さて、このシナリオを書くに当たって、とにかく注意したこと。それはこれが、「漫画の原作である」ということです。
 ワタクシ、もともと大学時代に漫画研究会なるものに所属していましたので、漫画製作に関する知識が多少あったりします。
 それ故に、例えばこの台詞は長くてフキダシに収まらないから分割しよう、とか、ここは台詞ではなく、キャラの行動や小道具の演出で物語を進行させて……などなど、「実際に漫画として描いた場合」を想定して書くことが出来ました。
 そこら辺が選考に残った理由だとしたら、あの遊びっぱなしだった四年間も決して無駄ではなかったのだな、としみじみ思います(笑)

 さて、長い後書きにお付き合いいただき、ありがとうございました。
 こちらのシナリオをもとに、五人のweb漫画家さん達がそれぞれに描き出した世界、漫画「PRAY 〜花に願いを〜」は「漫画原作大募集!」で公開されております。どうぞお楽しみ下さい!(※「漫画原作大募集!」さんは2005年6月30日をもって終了しました)

2005.02.06 seeds

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