レンの覚え書き 七夕という行事があると聞いて、レミーと一緒に展望室へ行った。なんでも、一年に一度、天の川に隔たれていた恋人たちが再会出来る日なんだそうだ。 竹や笹の枝に願い事を書いた短冊を吊るすのが慣わしだそうで、僕達もそれぞれ書いてみた。 「レンお兄ちゃんはなんて書いたの?」 「……"家内安全"」 「なるほど(笑)」 「(なんとなくムッとして) そういうレミーはなんて書いたのさ?」 「ひ・み・つ♪」 やおら腕時計を見たレミーは、集合時間に遅れちゃう、と言って僕の腕を引っ張った。 「行こう、お兄ちゃん!」 色とりどりの短冊が吊るされた竹飾りを掻き分けて、扉へと向かう。その時、たまたま目に入った短冊には、こう書かれていた。 "いつまでもみんなと一緒にいられますように レミー・キャロル" |