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星屑の街
 そこは、まるで星屑が降り注いだような街だった。
 淡い光を放つ街灯に照らされて、青く浮かび上がる坂の街。
 街がそのまま星空に繋がっているような、そんな錯覚さえ覚えて、思わず「ここなら星に手が届きそうだ」なんて柄にもない言葉を口走れば、点灯夫がにやりと笑った。
「ああ、そうさ。この街でなら星に手が届く」
 ほれこの通り、と長い棒の先に街灯の先端を引っかけて、新しいものと交換する。
「だいぶ弱っちまったが、紛れもなくこいつは星の光さね」
 太陽光を溜め込んで夜に輝く星屑石。流れ星の涙とも呼ばれる青い鉱石を加工した角灯は、この街の特産品だ。
「あんたも一つどうだい?」
 ここはひとつ、商売上手な点灯夫に乗せられてみようか。
Twitter300字SS」 第七十五回「届く」
 世界樹の街・五番街こと「魔法街ザナヴェスカ」のお話。
 ザナヴェスカの魅力はやはり、夜になると青く照らされる街並みなのだと思います。
 星屑角灯、お土産にお一ついかがですか?
2021.05.01


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