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仕立屋ディミアナの信念・裏話

駆け込み依頼:初代の仕立てた祭礼服の補修

 年若いディミアナに白羽の矢が立ったのは、その根気強さを見込んでのことだったのだろう。

「とにかく『何でもいい』の一点張りでね」
 金髪と深緑の瞳を引き立たせるように、材質の異なる布地を組み合わせた。
「しかも、見かけによらずそそっかしいから」
 脇は裏地をつけて補強し、裾と袖は布地を二重にした。
「なるべく長く着られる服を、なんて長命種の尺度で言われても困るんだわ」
 上質の布と糸を選び抜き、一針一針丁寧に仕上げた。

 特別な日だからこそ、特別な一着を。
 それが着心地の良い服であれば、きっと最高の一日になる。

「いつだって、何度だって直してみせるから!」

 世代を超えて、受け継がれる服を―それが仕立屋ディミアナの信念だ。

 こちらは通販型企画「第9回300字SSポストカードラリー」参加作品。
 九回目のお題は「よそおい」でした。

 表面の補足説明です(^_^;) 初代が語る、祭礼服にまつわる裏話。
 そういや文字数の関係ではっきりと書きそびれてしまったのですが、店の名前は初代の名前から取って「仕立屋ディミアナ」。三代目となる孫娘はシンシアといいます。
 なお、祭礼服は毎年破けるわけではないので(そりゃそうだ)数年~十数年に一度、しかも祭の直前に持ち込まれることが多いという、なかなかに厄介な依頼です……。

 なお、こちらは裏面のお話。表面も合わせてお楽しみくださいm(__)m
2020.12.16


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