年若いディミアナに白羽の矢が立ったのは、その根気強さを見込んでのことだったのだろう。
「とにかく『何でもいい』の一点張りでね」
金髪と深緑の瞳を引き立たせるように、材質の異なる布地を組み合わせた。
「しかも、見かけによらずそそっかしいから」
脇は裏地をつけて補強し、裾と袖は布地を二重にした。
「なるべく長く着られる服を、なんて長命種の尺度で言われても困るんだわ」
上質の布と糸を選び抜き、一針一針丁寧に仕上げた。
特別な日だからこそ、特別な一着を。
それが着心地の良い服であれば、きっと最高の一日になる。
「いつだって、何度だって直してみせるから!」
世代を超えて、受け継がれる服を―それが仕立屋ディミアナの信念だ。