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鍵 ~十二番街・ユージーン骨董店~
 つい最近まで、その店には鍵すらかかっていなかった。
 何故なら扉が歪みまくっていて、蹴り飛ばさないと開かなかったからだ。

 盗まれて困る物もないし、とは店主の言い分だったが、それなら最近になって扉を直し、鍵を新調したのは――

 守りたい、大切なものが出来たから?
ノベルバー 2021」 01 鍵
 twitter上で行われていた「ノベルバー」という企画に参加させていただいた作品。
 今回はtwitterで書く→カクヨムに上げる、という流れで参加しましたので、140字からハッシュタグとお題を除いた120文字くらいの短いお話を綴っています。
 カクヨムに上げる段階で副題として「どこの街の物語か」を追加しているのですが、twitterで見た段階では「これホントに世界樹の街の話なの?」と思われるようなものも多かったかと。
 第一話は分かりやすく、ユージーン骨董店のお話。鍵を新調したのは、リリル・マリルが住み込みで働くようになったからです。「不用心だろう?」とはユージーンの談ですが、自分一人なら何も気にしない辺りが、「そういうとこだぞ!」と言われる所以でしょうね。

(初出:ノベルバー 2021/2021.11.01)
2022.01.03


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