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水の ~三番街・海岸~
 雲海に慣れ親しんで育った身には、「水の海」というものに違和感を覚えてしまう。
 寄せては返す青い波も、足下の砂をさらっていく塩辛い水も、何もかもが新鮮だ。
「こういう『海』の方がありふれてると思うんだけどなあ」
「世界は広いってことさ」

 そう、この海のように。
ノベルバー 2021」 16 水の
 twitter上で行われていた「ノベルバー」という企画に参加させていただいた作品。
 九番街の配達員(郵便飛行機パイロット)ミナギと、三番街出身の配達員オルトの、休日の一コマです。
 雲海に浮かぶ浮島で育ったミナギに「水の海」を見せるため、故郷の海へやってきたオルト君。
 自分の常識は他人の非常識、というやつですね。

(初出:ノベルバー 2021/2021.11.18)
2022.01.04


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