空を翔けるもの

　彼らは、空を翔けるために生まれた。
　ヒトの体に鳥の翼。総じて小柄な彼らは、見た目よりも更に軽い。
　その多くは卓越した飛行能力を生かした職業に就き、その生涯を空と共に過ごす。

『我らは風。疾く吹き抜けるもの。我らは空から生まれ、空に還る』

　事実、彼らの集落に墓標は存在しない。
　彼らは比喩でなく、風となって空に還るのだ。

探検家ロガトの手記　有翼人(エイル)の街・セレスタにおける調査報告より

　世界樹の街を飛び回っている有翼人にも色々な種族がありまして、《エイル》と呼ばれるのは三番街出身の翼人、つまりオルト達です。
　《エイル》は風の精霊の加護を受けており、空を翔るたびに風の元素を体内に取り込んでいくのだと言われています。

　こちらのSS、実は「ネプリ同時配信企画　ペーパーウェル」の第3回（テーマ：翼・羽のある生き物）に出そうと目論んで書いていたものなのですが、ここまで書いたところで力尽きてしまって、あまりにも短すぎるだろう、と参加を見合わせました(/_;)
　折角なのでサイトアップして供養します……。　

2020.02.13