一番街の歴史
一番街の歴史は古く、少なくとも三百年以上前から存在していたことが分かっています。街道が整備されるまでは訪れる者も少なく、近隣の住人しか知らない隠れた名所でしたが、百年ほど前に新しい街道が作られてからは観光客や冒険者などが集まるようになり、街の規模も次第に拡大していきました。
一番街は他の街区と異なり、街全体が《世界樹の街》に属しています。
街区によっては数区画だけが《世界樹の街》に組み込まれているところもあるため、その広さは桁違いです。
一番街から見た《世界樹》
一番街の世界樹は、その大きさを推し量ることも出来ないほど巨大な常緑樹です。百年に一度、花を咲かせるという噂もあります。
ただし、一番街は世界樹からもっとも遠い街区であるため、世界樹は街の遥か後方に聳え立ち、葉擦れの音もほとんど聞こえません。
街道から一番街を目指してやってきた旅人は、小高い丘を越えたあたりで突如視界に飛び込んでくる世界樹の姿に圧倒されることでしょう。
《世界樹》の謎
…不思議なことに、一番街の《世界樹》だけは、その根元に辿り着くことが出来ません。世界樹に一番近いであろう『獅子門』は別の街区に繋がっており、そこから『一番街の外』には出ることが出来ないのです。
一番街は《世界の果て》と呼ばれる断崖絶壁の上に作られた街なので、街の外に出てから外壁を回りこむことも出来ません。
地図上では、《世界樹》は崖下に生えていることになりますが、それを確認した者は未だかつて存在しません。
見えているのに辿り着けない場所――それが一番街の《世界樹》です。