『思い出』の缶詰をもらった。
振っても何の音もしない。ジョークグッズだろうなと苦笑しつつ、缶切りを取り出す。
ぷしゅ、と気の抜けた音と主に缶から溢れ出す、夕暮れ時の匂い。ひび割れた夕焼け小焼け。「また明日」と朗らかに告げる声。
果たせなかった約束が、詰まっていた。
「ノベルバー 2021」 21 缶詰
解説
twitter上で行われていた「ノベルバー」という企画に参加させていただいた作品。
少し不思議な七番街のお話。昔、「空気」の缶詰とか売ってましたね。
初出:ノベルバー 2021/2021.11.24
サイト初出:2022.01.06