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序章
〜ノーイの手記〜

……光が、迫っている
それは未来を希求する、民衆の力
最初は取るに足らない灯火だった光は、今や奔流となって我らを飲み込もうとしている
それを食い止めるだけの力は、最早我らには残っていない
我に残された道は、最期まで信念を貫くことのみ
……そう、それが罪深き我の、最後の使命

やがて世は移り変わり
彼女は罪深き支配者として歴史に名を残すであろう
それは事実なれど、真実にあらず

ああ、せめて我はここに記そう
我が罪を そして彼女の悲しき人生を……

 
ファーン復活暦七○一年五の月八日
 宮廷魔術士ノーイ 記す


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