旅立ちの朝は、雲ひとつない快晴だった。
大仰な見送りは断って、いつものように「行ってくる」とだけ告げて家を出る。
鞄を抱えて飛び立とうとした瞬間、潮風が髪を乱す。
はためく船の旗。舞い踊る色とりどりの花びら。
門出を祝してくれているようだと、柄にもなく思った。
「ノベルバー 2021」 30 はなむけ
解説
twitter上で行われていた「ノベルバー」という企画に参加させていただいた作品。
郵便配達員となったオルトの、旅立ちの朝で締めくくらせていただきました。
初出:ノベルバー 2021/2021.12.21
サイト初出:2022.01.06