>>
Prologue


 眼下に広がる、青い惑星

 それは、彼女の視覚に直接送り込まれてくる『情報』

 彼女が望むままに、映像は次々に切り替わっていく

 青い空のヴェールの下には、広く深い海

 そしてその海に浮かぶ、五つの大陸と無数の島々


 望めば、その大地に生きる一つ一つの命の様子でさえ

 『神の眼』はつぶさに映し出すことが出来る


 この惑星に生きる 数々の命

 それは彼女が贈ったもの

 彼女たちに託された 愛しいこの惑星へ

 心をこめた 贈り物


 試験の期間は 一年

 彼女たちの時間で たったの一年

 しかし

 この惑星にとって それは悠久の時


 一つの惑星が誕生し

 やがて命が芽生え

 文明が生まれ そして消える


 生と死の繰り返し

 そして紡がれる 一つの物語


 『試験』の終了は

 即ち 神々の消滅


 しかし それは

 世界の終焉ではなく

 新たなる世界の始まり


 物語の紡ぎ手は『彼ら』となり

 世界は 存在し続ける


 そして 神々の失われた世界から

 新たな神が誕生する時

 『彼ら』は自らを創造せし者を越え

 そして 神となる



---------『彼ら』は

       神々の姿に似せて創られた---------





 >>