崩れかけた階段を下りた先、立入禁止の地下一階には、旧文明のお宝が眠っているはずだった。
暗い通路を進み、幾つもの扉を潜り抜け――どこまで進んでも、無機質な空間のみ。
諦めかけた次の瞬間、通路の先に見えたのは、非常灯の下で咲く本物の『花』。
お宝は、確かにあったのだ。
「ノベルバー 2021」 29 地下一階
解説
twitter上で行われていた「ノベルバー」という企画に参加させていただいた作品。
十番街は巨大なパラボラアンテナのある、ポストアポカリプスなSF世界。人々は崩壊した世界で、旧文明の遺産を発掘しながら生きています。
地表は瓦礫だらけで本物の地面が露出している部分はごく限られているので、人々が自然の草木や花を見ることはほとんどない世界です。
初出:ノベルバー 2021/2021.12.20
サイト初出:2022.01.06