あっ、と声をあげる間もなく、紙飛行機が雲海に沈む。
渡り鳥すら近寄らない、複雑で気紛れな気流。この空を往くのは飛行機の特権だ。
「やっぱり紙じゃ無理か」
「結局は風頼みだからなあ」
それならばいつか、あの鉄の翼で。
この気難しい空を、自由に飛んでみせる。
「ノベルバー 2021」 04 紙飛行機
解説
twitter上で行われていた「ノベルバー」という企画に参加させていただいた作品。
九番街は雲海に浮かぶ浮島の町、クラウディオ・シティ。雲海には何も浮かばない&乱気流に囲まれているため、人々の移動手段は鉄の飛行機です。
初出:ノベルバー 2021/2021.11.04
サイト初出:2022.01.03