6.マント
毛皮の縁取り 王者の威厳
赤い裏打ち 勇者の証
青い絹地は乙女の憧れ
緑の頭巾は巡礼者では
黒いマントは誰のもの?
「大体ね、『魔術士といえば黒』っていうのが納得いかないわけよ。ったく辛気臭くてイヤになっちゃう!」
んなことオレに言われてもさー
そもそも、誰がそんなこと決めたわけ?
「それが分からないから腹立たしいんじゃないの!」
だからってオレに当たられても
「というわけで、この不条理な決まりを打開するべく、開発したのがこれよ!」
えー、なになに?
『透明マント』
これって、着ると透明になるってアレか?
うわ、マジであるんだ、こんなの
今度貸して下さい、おししょーサマ
「いいわよ? ほら、着てみなさいよ」
どれどれ、なんだ見た目は普通のマントっすね
「いい? これで呪文を唱えると……」
・
・
・
あー、透けるね。確かに。
マントが。
「これで黒マントの憂鬱とはおさらばよ!」
……だったらマント着なきゃいいじゃん
「馬鹿ね! どうしても寒い時とか、困るじゃない! これなら厚着していないように見えるから便利でしょ」
どこが便利なんだか分かんね~
あっ、そうだ
それなら『透明服』作って下さい、おししょーサマ
「いーわよ。アンタが着るならね」
え、遠慮しきます……

解説
魔法使いといえば黒いマントというイメージがあるのは私だけでしょうか?
蝙蝠男、とボケそうになったのはナイショ(^^ゞ ちなみに、「乙女の憧れ」は王子様のことです(^_^;)
マントと言っても色々な形状がありますが、よく御伽噺に出てくる王子様のマント(片方の肩と腰?で止める一枚布タイプ?)はいかにも儀礼的で実用性がなくて好きです(笑)
小説本文では「外套」と表記しているマントですが、外套だとコートも入っちゃうので、今回はあえて「マント」としてみました。本文中でもどうしようか、ちょっと思案中。
サイト初出:2007.07.14